中村さんが会議室かどこかでレコーディングしたアルバム、「負の遺産」を聴いてまず思ったこと。
やはり魂!
これぞ和製ソウルだと思った。
そこでまず選んだ曲は「ダーリン」。
ギターのアレンジはもう決まっていた。
この曲ならバックでこんなギターを弾いてやろうとか、この曲を正式にアレンジする前から考えていた。
フェイムサウンドのレジー・ヤング、ゴールドワックスのクラレンス・ネルソンみたいなギターを思い浮かべながら聴いていた。
そう、この曲でギターを弾きたいなと思った!
そこからもう始まっていたのかも知れない。
しかし聴けば聴くほど、楽器は少ない方がいいなと思うようになっていった。
そしてギターだけかなと思って、この曲のコードを自分なりに拾った。
そして中村さんの歌を頭の中で流しながらこの曲をギターを弾いていた。
しかし違うと思った。
中村さんの歌声、表現の背景にあるなんとも言えない哀愁が私の頭の中からソウルやブルースというジャンルを消していった。
これ、ピアノで中村さんが歌ったらきっと良くなると思った。
それで昨年、7月5日、中村さんが来ると聞いて、それならピアノでオケを作ってやろうと思った。
というのは、私とみやりかが毎週金曜夜22時に福井県鯖江市のたんなん夢レディオで放送している番組、「おやすみ工房」で流せたらと思ったから。
中村さんが来ると聞いてそんな企みを抱いた。
そしてその7月5日、ラジオの収録までに至ったのだが、その前に中村さんはピアノのオケでその日に快く歌ってくれた。
本当にその時はリリースするなんて考えていなかった。
それで11月に富山県滑川市のワンカフェのライブで会うことを約束して中村さんは帰って行った。
それでそのレコーディングしたテイクを何度も聴きながら11月の再会を待った。
そしてピアノを選んで正解だったとつくづく思った。
ここで伝えたいこと。
先程も書いたが、中村さんの歌を何度も聴くことによってジャンルの壁が無くなり、いや、ジャンルなんて関係なく、中村さんの歌がピアノを選ばせ、ピアノのフレーズを選ばせてくれた。
まあ私も人一倍音楽は聴いてきているから、引き出しにはいろんなものが詰まっているのだけれど、それを引き出してくれた中村さんの歌。
これに尽きる。
音楽はこうでないといけないと改めて知った。
き❌(KIBATSU)で一緒にやっているみやりかも同じ。
彼女の歌、いや、彼女の個性までもが私に歌を作らせてくれている。
音楽、やはりしっかり人を見つめることで生まれてくるものだと思う。
中村さんの「Darling」はいろんなことを教えてくれた。
66才の終わりにいいものを得た。
enu-G
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