中村さんとワンカフェで初めて会って、その時から只者じゃないとか言うほどに何かを感じていた。
こういうことって滅多にない。
2024年2月23日、遠方から突然現れて、そのライブが終わると機材の片付けを手伝っていた中村さん。
物静かで雰囲気、オーラを出している人を久しぶりに見た。
それで片付けも一段落して話すと物静かに増して、喋る声も小さい。
しかしこの時に交わした会話が2024年5月25日の茨城県の横道屋のライブに繋がり、約一年後のこの「Darling」の配信リリースに繋がった。
この間、私としては何も特別なことをしようと思った訳では無い。
還暦を過ぎて、もう古希の扉も見えてきた頃。
六十五歳、前期高齢者として認定された頃から、人の曲に素直に触れられるようになった。
これまでは自分の音楽で精一杯。
これが本音。
人の曲など良いと思っても、それをなんとかしようなんて思わなかった。
それが前期高齢者に認定された頃から、こんないい曲、なんとかならんのだろうかと思うようになり、こちらから動いて、その曲を勝手にアレンジして、作品にしてリリースしている。
中村さんの場合は、その出会いから、この「Darling」のリリースに至るまでがあまりにもドラマチック過ぎて、この曲をアレンジする時ほど、色んな想い入れが重なり、自分で何かをすると言うより、何か見えない力に動かされていた。
中村さんは、昨年の7月5日、突然、会いたいからと言って、遠路はるばる7時間かけて金沢まで来てくれた。
だから私も突然現れる中村さんに何かを求めてしまい、それならこの「Darling」を歌わせようと企み、ピアノでオケを作り待ち構えた。
それでまんまと歌わせて、その時はお互い自己満足で終わると思ったが、この歌がまたハートフルで、こりゃなんとかしなくてはとその時から思っていた。
しかし昨年11月、こちら、富山県滑川市のワンカフェで一緒にライブをやる直前、中村さんは脳溢血で倒れた。
一時はどうなる事かと思ったが、12月にはステージに居た。
やはり只者じゃなかった。
そして今年、4月28日、また中村さんは突然現れた。
昨年、約束していたライブが出来なかったお詫びを直接口頭で伝えたかったと。
これが中村さんなんだと改めて思い知らされた。
ワンカフェのCrow真琴さんにも内緒で来ていて、その夜のワンカフェのライブに突然現れている。
こういうことをする人。
だから私も黙ってはいられなかった。
中村さんが来る4月28日までに、昨年7月5日に歌ったテイクを整えて、それを聴かせて、作品にしてリリースすることを中村さんに提案することにした。
そして中村さんも喜んで受け入れてくれて、一気に話が進んだ。
そしてこのピアノのアレンジで、見つけたものがあるから、それをレコーディングしたいから、改めて5月31日に改めて来ると言うことになった。
そして私も、このピアノのテイクに自分のギター、そしてベース、ドラムス、ストリングスを入れた、私が思う存分勝手にアレンジするDessert Ver.も作り、ピアノのバージョンとこの私が好き勝手にアレンジするDessert Ver.の2テイクを作品にしてリリースすることを改めて提案。
中村さんも喜んで受け入れてくれた。
そしてそれも、こういういい風が吹きまくっていたので一気に完成。
5月31日、中村さんが来る前にほぼ出来上がっていた。
そしてもう一つ私は中村さんに提案したことがあった。
5月17日、私と中村さんが出会うきっかけとなった、ワンカフェでのライブが一旦休止することになり、そのワンカフェのラストライブに、私たちのデュオ、き❌(KIBATSU)も出演することになり、その中村さんの「Darling」
の現状のバージョンをお客様に無料で配布しようと中村さんに提案した。
やはりこの縁を繋いでくれたのはCrow真琴さん。
そして一緒にライブを企画していた明月友賀さん。
そしてワンカフェの大畑徹さん。
そして、ワンカフェでのライブの創始者の高慶直子さんに感謝の意を込めてのこと。
中村さんと縁が深いこの方達にも贈るため。
そして、一時休止することになったワンカフェライブのラストライブに中村さんの存在を残したかった。
そしてそれも中村さんが受け入れてくれて実現出来た。
そして中村さんから一つ要望が!
ピアノバージョンにストリングスを入れたいと。
そしてそれもこの風に乗り、一気に完成。
5月31日、中村さんが見つけたものをレコーディングする日を待った。
その中村さんが見つけてレコーディングしたもの。
それは聴いて確かめてください。
語れるものではないので。
この「Darling」の2テイクが生まれるまでにはこんなこともありました。
ところでこのアレンジ(編曲)について少し。
そんなに凝ったアレンジではありません。
中村さんが要望したストリングスも中村さんの歌を聴きながら、なぞるようにかぶせただけ。
ギターは好き勝手に中村さんとセッションしてるような感じで弾いている。
全て、中村さんの歌に引っ張られ、煽られてのアレンジです。
まあこういう「Darling」があっても良いのではと思って。
67才になったばかりの爺の感性だと思ってお聴きあれ!
enu-G
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